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次に2つ目の分類になるが、この苦情が非系統的(non−systemic)な問題である場合、例えば、公共部門にいる職員がちゃんと働かない、非常にスローである、あるいは権力を濫用する、与えられている仕事や自分の求められている仕事をやらないというような場合である。もしそういうことが発覚すると、われわれは、その職員に対しての懲戒措置を求める勧告を出す。汚職という問題に対しては、われわれの政府には汚職防止庁という省庁があるので、その問題は汚職防止庁に回してそちらで解決してもらう。また例えば、問題のある職員が各省庁の長であるとか非常に高官である場合には、首相に解決をお願いすることになる。そして私の職務としては、そのような懲戒措置がきちんと十分にとられているかをモニターしていくことである。しかし、首相の方に回されるケースは例外である。

われわれは、苦情を次のように処理している。まず最初に調査があるが、この調査段階は非常に慎重にやらなければならない。というのは、とにかく常に事実が正しいわけであるから、この事実を求めなければならない。したがって、省庁の長が事実に対して攻撃をかけるということを許してはならない。というのは、実際に事実としてあったこと自体が悪いわけであるから、それに対してその事実を否定するような行為はやめてもらわなければならないわけである。もしそういうことがあれば、その人たちは、専門職(professional)として業務を行っていないということになる。

われわれは、それぞれの苦情の問題について(勿論、私の部下が扱ったものもあり、私が直接扱ったものもあるが)、これをケース・バイ・ケースで「行政苦情に関する常任委員会」に提出する。「行政苦情に関する常任委員会」においては、官房長官が委員長を務めており、官房長官は、実際に改善措置を推進する役目も持っている。(彼はいつもブラックリストを抱えていて、よくない職員がいるということになれば、必ずその人の名がブラックリストに載る。そのブラックリストに名が連ねられると、昇格も昇給もほとんど絶望的になるかもしれない。したがって誰も、そのブラックリストに名を載せて欲しくないと考えている。)

次に、常任委員会のメンバーには人事局長が入る。人事局長は、われわれの行っているサービスの一番トップの役職にいる人である。例えば、役職の変更とかそういう部門も担当している。又、昇格委員会(promotion board)のメンバーでもある。そして、人事を一般的に担当しているというわけである。この常任委員会のメンバーには、汚職防止庁の長官も入っている。私は、汚職防止庁の職務に対してモニターする役割も持っている。(ただしそれは、われわれの所に来た苦情が汚職防止庁の所管であるということで、そちらに送られたケースに限られるが)。まだまだ重要なメンバーがいる。行政近代化・管理計画部(MAMPU)長官もその一人である。簡単に言えば、もしある組織が病気になっていると、このMAMPUの長官が薬をのませて、その組織を生き返らせるというものである。そして、この長官は、首相に対してコンサルタント的役割も果たす。すなわち、ある組織が病気になったという状況になると、このMAMPUの方で約3か月かけて全体のオーバーホールを行う大々的な改善を行っていくものである。

この常任委員会では様々な話し合いが行われる。勿論、苦情によって名指しされた人(罪のある人)もここに参加して自分の申し開きをし、防衛をすることができる。そして、常任委員会の議題に係る部門の関係省庁の長官は、この委員会には、結果がどのよ

 

 

 

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